『母こそ、英雄』

心めぐり日和

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春秋戦国時代における「英雄」とは、しばしば戦場での勝利によって名を馳せた人物を指す。

数多くの戦を勝ち抜き、領土を拡大し、敵を制圧する。

そのために、かず知れぬ人の命を奪い、他国の民を従わせることもいとわなかった。

戦乱の世にあっては、武勇と策略こそが生き残る条件であり、勝利こそが正義とされた。

歴史書に記される英雄の多くは、まさに「強き者」であり、「勝者」であった。

彼らの名は時代を超えて語られ、しばしば美化されてもきた。

しかし、その背後には、無数の犠牲と涙があったことを忘れてはならない。

では、もしこの「英雄」という言葉を現代に置き換えるなら、同じ定義が通用するだろうか。

現代は、少なくとも多くの国において、武力で領土を奪い合う時代ではない。

むしろ、どれだけ多くの命を救い、どれだけ人々の生活を豊かにしたかが、評価の基準となるべきだろう。

科学者が新しい薬を開発し、病に苦しむ人々を救う。

教育者が未来を担う若者に知恵と希望を与える。

環境保護に尽力する人が、次世代のために地球を守る。

こうした人々こそが、現代における真の英雄と言えるのではないか。

英雄とは、本来、時代や価値観によって姿を変える存在である。

春秋戦国の時代には、混乱を収めるために力が求められた。

現代では、争いを未然に防ぎ、人々を結びつける力が求められる。

力の方向性が、破壊から創造へと変わったのだ。

だからこそ、今の時代に生きる私たちは、「英雄」という言葉を新たに定義し直す必要がある。

勝ち抜くことよりも、支え合うこと。奪うことよりも、与えること。

恐怖よりも、希望を広げること。

それが、未来の歴史に刻まれるべき英雄の姿だと思う。

そして、その大きな理想を実現する第一歩は、地球の裏側ではなく、私たちの足元から始まる。

家族や友人、同僚といった身近な人への温かな言葉や小さな助けが、やがて波紋のように広がっていく。

その優しさは国境を越え、地球規模の良い影響となるだろう。

考えは地球的に、行動は足元から。

身近な人への良い影響を日々実践する母こそ、

現代に生きる私たちの「英雄」なのだ。

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キーワード:#母こそ英雄 #家族の絆 #命のつながり

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